初掲載日:2019年8月8日
フランスの華やかな貴族文化の舞台となったヴェルサイユ宮殿。
ヴェルサイユ宮殿は、かつての太陽王ルイ14世が自らの権力の象徴として建てた宮殿で、豪華な建物と美しい庭園はまさにフランス絶対王政の象徴です。
しかし、フランス絶対王政の象徴ともいわれるヴェルサイユ宮殿ですが、ヴェルサイユ宮殿建築のため莫大なお金を使ってしまったことがゆくゆくのフランス革命への引き金となります。
そんな様々なドラマを抱えるヴェルサイユ宮殿は今では人気の観光スポットとなっています。
このページでは、そんなヴェルサイユ宮殿の内部を見学する前に知っておきたい3つの注意点、そしてメインのみどころである19の部屋を紹介していきます。
もくじ
ヴェルサイユ宮殿って?
ヴェルサイユ宮殿は、1682年にフランス王ルイ14世が絶対王政の象徴として建てたフランスの宮殿です。
基本情報
基本情報
Palace of Versailles
【所在地】
Place d’Armes, 78000 Versailles
【ヴェルサイユ宮殿施設】
宮殿/庭園/グラン・トリアノン/マリーアントワネットの離宮
公式ウェブサイト:Official website – Palace of Versailles
入場チケット
ヴェルサイユ宮殿は、庭園は無料ですが宮殿内を見学するには入場チケットが必要です。
- 単体チケット 18ユーロ
- 1日パスポート 20ユーロ(イベント開催中は27ユーロ)
- 2日パスポート 25ユーロ(イベント開催中は30ユーロ)
入場チケットは当日チケットカウンターでも購入できますが、とても人気の観光スポットで特にハイシーズン中はチケットカウンター前は長蛇の列ができています。
入場チケットは必ず事前に購入しておくようにしましょう。
チケットの購入&予約方法については「ヴェルサイユ宮殿のチケット予約&購入方法を完全公開」で解説しています。
公式チケット予約サイトからの購入手順についても画像付きで説明していますので、参考にしてみてください。
ヴェルサイユ宮殿内見学の注意点
ヴェルサイユ宮殿の見学の際、知っておいてほしいことを3つ紹介します。
荷物チェックあり!荷物はコンパクトに
ヴェルサイユ宮殿に入場する前にセキュリティチェックがあります。
スーツケースや大きいかばん、飲食物はヴェルサイユ宮殿内には持ち込めません。
※55cm x 35cm x 20cm以内の荷物のみ持ち込み可能。
そのため、荷物はなるべくコンパクトにまとめて行くようにしましょう。
公式サイトの「Left Luggage | Palace of Versailles」に、持ち込み可能な手荷物の詳細や荷物の預け場所などが説明されています。
日本語オーディオガイドを活用しよう
ヴェルサイユ宮殿には日本語のオーディオガイドがあるので、オーディオガイドを活用しましょう!
オーディオガイドはヴェルサイユ宮殿の入場料に含まれています。
オーディオガイドは以下の2箇所の貸出カウンターでレンタル可能です。
当日並ぶ列に注意
個人の入口はヴェルサイユ宮殿に向かって左手の「A」のところです。
事前にチケットを購入済の方は「A」に並ぶようにしましょう。
※チケットオフィスもヴェルサイユ宮殿に向かって左手にあるため、列を間違えないように注意してください。
ヴェルサイユ宮殿内紹介
それでは、ヴェルサイユ宮殿内部を紹介していきます。
ヴェルサイユ宮殿内は以下のような造りになっています。
(小さくて見えにくくてすみません。)
こちらはヴェルサイユ宮殿でもらえる宮殿内マップに部屋の名前を書き入れたものです。
こんな感じのヴェルサイユ領有地マップが無料でもらえるので、ぜひ利用してくださいね!
宮殿内の大きな見どころのお部屋は全部で19。
そのうち②王室オペラ劇場の見学は入場チケットとは別の有料ツアーへの参加が必要です。(2019年7月の情報)
その他の部屋については基本的に入場チケット内で見学できます!
北翼棟
ヴェルサイユ宮殿に入ったら、まずは1階の北翼棟を見学します。
①王室礼拝堂
宮殿内に入り、まず目にするのがロココ調の王室礼拝堂です。
この王室礼拝堂は1710年に完成しました。
当時15歳だったルイ16世と、14歳だったマリー・アントワネットの婚礼式もここで行われています。
ルイ16世とマリー・アントワネットの婚礼を祝福し、当時6,000人の貴族・僧侶が集まりました。
王室礼拝堂は2階建てで、国王たちは2階の特別席からミサに参加していました。
上記の写真は1階から撮影したものですが、本館2階にあがった際、ヘラクレスの間に入る前に2階から王室礼拝堂を眺めることができます。
北翼棟ギャラリースペース
メインの19の部屋とは別に、王室礼拝堂から王室オペラ劇場までの通路はギャラリーとなっています。
小さな部屋で分かれており、各部屋テーマに沿った絵画が飾られていました。
当時の、ヴェルサイユ宮殿を舞台にした華やかな宮殿生活を見ることができます。
こちらはマリー・アントワネットとその子供たちです。
中央にいるのがオルレアン朝のフランス国王ルイ=フィリップ1世です。
ヴェルサイユ宮殿から外に向かっているところでしょうか。
当時、本当にこのようなシーンがあったのでしょうね~
②王室オペラ劇場
王室オペラ劇場は、ルイ16世とマリー・アントワネットの結婚を祝福して造られた劇場で、700以上の客席をもつとても大きな劇場です。
2019年7月に私たちが訪れた際、この王室オペラ劇場の見学は入場チケットとは別に有料ツアーへの申し込みが必要となっていました。
本館棟
1階のギャラリーを通り抜けて2階に上がると、本館棟に見どころがかたまっています。
③ヘラクレスの間
宮殿内でも特に大きい「ヘラクレスの間」の天井画は、ルイ14世時代後半の最高傑作ともいわれています。
色大理石と金箔で覆われ、とても豪華な空間です。
また、部屋の奥に飾られている「パリサイ人シモン家の宴」という絵は1664年にヴェネチア共和国からルイ14世に贈られたものです。
この絵を飾るために、元々は礼拝堂だった部屋を改造して「ヘラクレスの間」は造られました。
④豊穣の間
「豊穣の間」は王侯貴族たちをもてなすために使用された祝宴のサロンです。
部屋中にルイ14世の子孫の肖像画が飾られています。
また、この部屋は王のプライベートコレクションであるエメラルドやヒスイなども展示されていました。
⑤ヴィーナスの間
「ヴィーナスの間」は1668年に完成したバロック調の部屋で、太陽王ルイ14世を讃えるために造られました。
中央にはルイ14世の像が飾られています。
天井には、太陽王と呼ばれたルイ14世を讃え、太陽の装飾や愛と美の神ヴィーナスが描かれています。
⑥ディアーヌの間
「ディアーヌの間」は、当時ビリヤード場として使われていました。
ルイ14世がビリヤードを趣味としていたため造られた部屋でしょうか?
ルイ14世はビリヤードのほか、狩りも好んで行っていたため、天井には月と狩猟の女神「ディアーヌ」が描かれています。
⑦マルスの間
「マルスの間」は、1682年までは衛兵の控えの間として使用されていて、その後は音楽会や賭け事を行う場として使われていました。
音楽やダンス、賭け事を行う場となった後は「舞踏会の間」とも呼ばれるようになります。
天井中央部分には、火星と戦いを司る軍神マルスの絵が飾られています。
⑧メルクリウスの間
「メルクリウスの間」は、ルイ14世の寝室として使用されていました。
ルイ14世の死後、ルイ14世の遺体はこの「メルクリウスの間」に置かれ、1週間にわたってミサが行われます。
また、この部屋の端には裏部屋に続く隠し扉がありました。
天井には水星と商業の神、メルクリウスの絵が描かれています。
⑨アポロンの間
「アポロンの間」は王に謁見したり、ダンスを行う部屋として使用されていました。
中央の一段高くなっている部分に王座が置かれていたということですね。
背後には金のタペストリーが飾られ、華やかな燭台やシャンデリアが部屋中に施され、まさに王座の間に相応しい装飾でした。
天井がもとても豪華です。
⑩戦争の間
こちらは鏡の回廊に続く前の部屋で「戦争の間」といわれています。
フランスの軍事的勝利を讃え、大理石とブロンズで装飾されました。
壁にはルイ14世が戦場で戦う姿を描いたレリーフが飾られています。
⑪鏡の間(鏡の回廊)
こちらが、ヴェルサイユ宮殿内で一番のみどころである「鏡の間(鏡の回廊)」です。
全長73m、幅10.5m、高さ12.3mのとても大きな回廊で、300枚以上の鏡で装飾されているため「鏡の回廊」と呼ばれています。
ここで王族たちの舞踏会やレセプションが開かれてました。
ルイ16世とマリー・アントワネットの婚礼舞踏会もこの鏡の回廊で行われています。
なお、毎年夏の間、この鏡の回廊では「王のセレナーデ」を体験できるツアーが開催されています。
詳しくは「【ヴェルサイユ宮殿】夏のイベント!花火と大噴水ショー&鏡の回廊・王のセレナーデ」を参照してください。
⑫王の寝室
「王の寝室」は大理石の中庭に面していて、この寝室から中庭を望むことができます。
1701年に完成し、王が私生活を送った部屋でもあり、また、王の起床・就寝の儀式もこの部屋で行われていました。
起きるときも寝るときも儀式があるなんて・・・
一般人の私からすると想像もできない世界です。。
ベッドの両側にはシャンデリアが施され、壁に飾られた絵画はルイ14世が自ら選んだものだそうです。
⑬平和の間
「平和の間」は「戦争の間」と対になる部屋で、ルイ14世時代後半から、音楽室や遊戯室として使用されていました。
2019年7月に私たちが訪れた際、壁のレリーフは外されてしまっていました。
改修中だったのでしょうか?ちょっと残念・・・
⑭王妃の寝室
「王妃の寝室」はルイ14世が王妃マリー・テレーズのために造った部屋です。
王の寝室よりは質素ですが、それでもとても煌びやかな寝室です。
マリー・テレーズの死後、マリー・レクザンスカが、そして最後はマリー・アントワネットが使用しました。
歴代の王妃がこの部屋で王位継承者となる子を出産し、出産の様子は公開されたといわれています。
19人の子供がここで誕生したんですね~
実はこの王妃の寝室には、メルクリウスの間と同じように隠し扉が設置されているんです。
1979年10月6日、暴徒がマリー・アントワネットを殺そうと宮殿内に侵入した際、この隠し扉を使って王の部屋まで逃げたため、マリー・アントワネットは命拾いをしたといわれています。
⑮貴族の間
緑の壁が特徴的なこの部屋は「貴族の間」。
マリー・アントワネットにより大改修され、最後は王妃の謁見の間として利用されていました。
⑯大膳式の間
「大膳式の間」は王と王妃が公式に食事を行っていた部屋です。
公式の食事には人々の参列が許されていましたが、着席が許されたのは王族のみでした。
2019年7月に私たちが訪れた際は当時の食卓を再現されたテーブルなどはなく、部屋の中央は広い空間となっていました。
⑰衛兵の間
「衛兵の間」は王妃の護衛を務める兵士が待機する部屋として使用されていた部屋です。
⑱祭典の間
「祭典の間」は当時、礼拝堂や衛兵の控えの間として使用されていました。
壁には「ナポレオン1世の戴冠式」、「シャン・ド・マルスにおける鷲章旗の授与」「アブキールの戦い」が展示されています。
また、この部屋に飾られている「ナポレオン1世の戴冠式」は2作目で、1作目はルーブル美術館に展示されています。
⑲戦闘の回廊
本館の「祭典の間」を抜けると、南翼棟に「戦闘の回廊」があります。
この回廊には、フランスの歴史に沿った戦いの絵がずらりと展示されています。
私は戦争の絵はあまり好きではないのでさくっと通り過ぎましたが、歴史が好きな人はぜひじっくり時間をとって鑑賞してみてください。
まとめ:ヴェルサイユ宮殿内見学の所要時間は1時間半
これら19の部屋と1階のギャラリーをすべてまわりましたが、所要時間は大体1時間半です。
「戦争の回廊」をもう少しじっくり見ると、大体2時間で見てまわれることになります。
とても華やかなヴェルサイユ宮殿内部ですが、宮殿のまわりにもグラン・トリアノンやマリー・アントワネットの離宮など様々なみどころがたくさんあります。
ヴェルサイユ宮殿に来る際は、ぜひ丸1日時間をとってじっくり敷地内を散歩してみてください!
ヴェルサイユ宮殿の入場チケット購入&予約方法は以下の記事で紹介しています。
公式チケット予約サイトからのチケット購入手順も画像付きで説明しているので、参考にしてみてください。
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