海外在住者の皆さま、実は、日本への一時帰国時に免税でのお買い物が可能です。
【免税】と聞くと、
と感じてしまう人も多いかもしれません。
しかし、特に難しく時間のかかる手続きはなく、商品購入時に10〜15分時間をかけるだけで簡単に免税で商品を購入することが可能なんです!
そこで、今回は日本へ入国する前から再び居住国へ戻るまでの間の手順を簡潔に説明したいと思います。
税金について全く知識がなくても大丈夫な記事になっています。
記事の最初の方では
- 免税で購入するとはどういうことか
- 免税で購入するための条件
を説明しています。
説明は飛ばして手続きの流れを知りたい!という場合は「居住国を出国する時の注意点」から読み進めてください。
もくじ
一時帰国時の免税について
海外在住者なら何でもかんでも免税で買える!というわけではありません。
免税で商品を購入する場合は、4つの条件を満たす必要があります。
ここでは、免税で商品を購入する場合の4つの条件について説明していきます。
【免税で商品を購入する】とは?
まずは、そもそも【免税で商品を購入する】って、どれくらいお得なの?というところをお伝えしていきます。
普段、私たちが日常生活で購入している食品・衣類・家電などはすべて消費税がかかってきます。
つまり、以下のような計算になります。
商品価格+消費税(8% または 10%※)=商品購入時に支払う金額
【免税で商品を購入する】ということは、この、赤字の消費税部分がまるまる免除されるということなんです!
なお、店舗によっては、手数料がかかり消費税分まるまるお得にならない場合や、免税購入の場合ポイントがつかず、結局消費税を支払ってポイントをつけてもらった方がお得な場合もあります。
これまで消費税は一律8%でしたが、令和元年10月1日より消費税が10%になり、同時に軽減税率(一部の物品については消費税8%)が導入されました。
軽減税率の対象品目としては、外食・ケータリング・酒類を除く一定の飲食料品および定期購読契約に基づく一定の新聞が定められています。海外在住者が一時帰国の際購入するものとしてはスーパーの食品などが該当します。
詳しくは国税庁が発表している「よくわかる消費税軽減税率制度(令和元年7月)(パンフレット)」をご確認ください。
軽減税率は掘り下げると終わりが見えないので、【海外在住者が一時帰国の際、免税対応店で衣類・書籍など食料品以外を購入する場合は消費税10%分が免税になり、免税対応のスーパーなどで一定の飲食料品を購入する場合は消費税8%分が免税になる】と覚えておくといいと思います。
たかが10%(8%)ですが、積もり積もると大金になるので海外在住者はぜひ活用したい制度ですね。
免税の4つの条件
それでは、免税で商品を購入する場合に必要な条件をみていきます。
簡潔にまとめると、以下の4つの条件を満たす必要があります。
①「非居住者」が
②「一定の条件を満たすお店」で
③「一定の条件を満たす商品」を
④「一定の条件を満たす方法」で購入
「一定の条件」ばかりで申し訳ないのですが・・・
このあと、それぞれの条件について詳しくみていきたいと思います。
なお、実際の法令は「e-Gov法令検索」の消費税法第八条「輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税」を参考にしてください。
「国土交通省観光庁公式HP」の免税店紹介のページにも図解付きで分かりやすく説明されています。
①「非居住者」が
まず、「非居住者」について詳しく説明していきます。
ここでいう「非居住者」は、「外国人」と「一定の条件を満たす日本人」の両方を含みます。
令和5年4月1日に消費税免税制度が改正され、免税対象者の範囲が狭まりました。
「国土交通省観光庁公式HP」によると以下のように定義されます。(2023年10月現在)
国籍 | 要件 | 免税可否 |
外国籍※1 | 短期滞在、外交、公用 | 〇 |
上記以外 | × | |
日本国籍※2 | 国内以外の地域に引き続き2年以上住所又は居所を有する者 | 〇 |
外国にある事務所に勤務する目的で出国し、 その滞在期間が2年未満である者 |
× | |
2年以上外国に滞在する目的で出国し、 その滞在期間が2年未満である者 |
× |
※1 本邦入国後6ヶ月未満であることを確認出来ること(外交・公用・米軍を除く)。
※2 本邦入国後6ヶ月未満であることを確認出来ること。直近の入国(帰国)日の6ヵ月前の日以降に作成された「戸籍の附票の写し」または「在留証明」により確認出来ることが必要です。
②「一定の条件を満たすお店」で
この「一定の条件を満たすお店」とは、専門用語では「輸出物品販売場」といわれています。
簡単に説明すると、
国から”非居住者に免税対象商品を売ってもいいですよ”という許可を得ているお店
ということになります。
免税対応店舗は「免税店 | TAXFREESHOPS.JP」で検索することができます。
また、免税クーポンなども載っているのでぜひ活用してみてください。
免税クーポンとは、【消費税10%(8%)+特別割引】で更にお得に買い物できるクーポンをいいます。例えば、2023年10月現在、ビックカメラでは10%(消費税分)+7%=17%OFFで買い物が可能です。
③「一定の条件を満たす商品」を
免税対象物品について、「国税庁のタックスアンサー(よくある税の質問)」では、以下のように定義されています。
輸出物品販売場における免税対象物品は、通常生活の用に供する物品のうち、次の範囲の物品となります。
なお、金または白金の地金は免税対象物品からは除かれます。
(1) 一般物品(消耗品(注2)以外のものをいいます。)の場合は、同一の免税購入対象者に対する同一の販売場における1日の販売価額(税抜)の合計額が5,000円以上であること。
(2) 消耗品(注2)の場合は、同一の免税購入対象者に対する同一の販売場における1日の販売価額(税抜)の合計額が5,000円以上50万円以下であること。
(注1) 免税購入対象者が事業用や販売用として物品を購入する場合は、免税となりません。
(注2) 消耗品とは、食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の消耗品をいいます。
なお、一般物品と消耗品のそれぞれの販売価額(税抜)が5,000円未満であったとしても、その合計額が5,000円以上であれば、一般物品を消耗品と同様の指定された方法により包装することで、免税販売することができます。この場合、その一般物品は消耗品として取り扱うこととなります。
「通常生活の用に供する物品」とは、日常生活で使用する物品をいうため、商業利用や販売目的での購入の場合は免税対象外になっています。
「一般物品」と「消耗品」については、「国土交通省観光庁公式HP」によると以下のように図解で説明されています。
引用元:免税店とは|消費税免税店サイト
また、「一般物品」については、「同じ店舗における1日の購入金額(税抜)の合計額が5千円以上」のものが対象になります。
「消耗品」については、「同じ店舗における1日の購入金額(税抜)の合計額が5千円以上50万円以下」のものが対象になります。
※「以上」「以下」はその金額を含みます。
購入金額については、2018年6月30日までは一般物品と消耗品の合算は不可でしたが、2018年7月1日以後、一般物品を消耗品と同じ条件で購入する場合は両者の合算が可能になっています。
【2018年6月30日まで】
- 一般物品3,000円と消耗品4,000円を一緒に購入 → 一般物品・消耗品ともに5,000円未満のため免税購入不可
【2018年7月1日から】
- 一般物品3,000円と消耗品4,000円を一緒に購入 → 一般物品についても消耗品と同様の方法で購入(次の④「一定の条件を満たす方法」で購入を参照)する場合に限り、合算(3,000円+4,000円=7,000円≧5,000円)して免税購入可能
なお、一般物品と消耗品を区分して、従来の免税対象要件でそれぞれ購入することも可能です。
④「一定の条件を満たす方法」で購入
一般物品や消耗品を免税で購入する場合の一定の方法とは、以下の方法になります。(分かりやすく、購入者目線で記載します)
【免税手続きの流れ】
- 購入時、店舗でパスポート等を提出する
- 非居住者であることの確認を受ける
- 必要事項の説明を受ける
- 免税対象物品の引渡しを受ける
- 店舗側が国税庁へ購入記録情報を送信する
- 店舗側は購入記録情報を保存する(約7年)
- 出国の際に税関に旅券等を提示する
- 購入した免税物品を携帯して国外へ持ち出す
※免税対象物品が消耗品(一般物品と消耗品を合算して購入下限額を判定する場合には、その一般物品も含みます。)である場合は、購入商品を指定された方法により梱包してもらう必要があります。
もっと詳しく知りたい方はNo.6559 外国人旅行者等が国外へ持ち帰る物品についての輸出免税|消費税 |国税庁の「2.輸出物品販売場における手続き等」を参照してください。
色々条件を記載しましたが、購入時はお店側が誘導してくれますので、特に覚えていなくても大丈夫です。
居住国を出国する時の注意点
免税での商品の購入は、基本的には日本国内での手続きのみで、商品購入後、居住国(海外)に戻ってくる際に居住国で必要な手続きは一切ありません。
ここで注意していただきたいのが、日本への入国時の手続きについてです。
現在、「自動化ゲート」が主流になってきていますが、入国時、必ず「入国スタンプ」をパスポートに押してもらう必要があります!
入国スタンプはこれです。
自動化ゲートでは「入国スタンプ」を押してもらえないので注意してください。
今回、私が一時帰国した際、成田空港では「自動化ゲート」しかなかったのですが、自動化ゲートをとおると目の前に「入国スタンプが必要な人専用のカウンター」があり、そこで入国スタンプを押してもらえました。(2019年11月現在有効)
店舗で商品を購入する時の流れ
それでは、実際に商品を免税で購入するときの流れを説明していきます。
商品購入時の注意点
免税で商品を購入する場合、免税に対応している店舗でなければいけません。
と意気込んで家の近くのお店に行ってみて、レジのところで
と言われてしまう状況を避けるためにも、自分が行こうとしている店舗が免税に対応しているのか、なるべく事前に確認していくようにしましょう。
免税対応店舗は「免税店 | TAXFREESHOPS.JP」で検索することができます。
また、食品については免税店で買うより地元の激安スーパーで買った方が全然お得だったりすることもあります。
私も「免税店 | TAXFREESHOPS.JP」で食品取扱店を調べましたが、地元のスーパーの方が安かったので食品だけは課税で購入しました。
商品購入時の手続き
商品購入時の手続きは各店舗によって異なります。
レジで「免税で購入したい」旨を伝えると、店員さんが誘導してくれますので指示に従うようにしましょう。
私が利用した店舗は「免税専用のレジカウンター」がある店舗が多く、店員さんにそこまで連れて行ってもらいました。
そこでパスポート(店舗によってはビザ)の提示を求められます。
結構「入国スタンプ」がどれか分からずてこずっている店員さんが多かったので、「探してるのかな?」と思ったら、「このページです!」と伝えると手続きがスムーズにすすみます。
その他の細かい手続きは店員さんに任せてしまって大丈夫です!
令和5年4月1日の改正で、直近の入国(帰国)日の6ヵ月前の日以降に作成された「戸籍の附票の写し」または「在留証明」により確認出来ることが条件となったため、「戸籍の附票の写し」または「在留証明」も持っていくようにしましょう。
また、店舗によっては免税クーポンがあるところも多くあります。
Googleなどで「免税クーポン」と検索すると、免税クーポンのある店舗がずらーっと出てきますし、店舗が決まっている場合は「店舗名 免税クーポン」で出てきます。
いくつかここにも載せておきますね!
※ここでは池袋のクーポンを貼っていますが、調べたところ店舗ごとにクーポンがあるようです。
※こちらから必要情報を入力すると、メールでクーポンが届きます。
商品購入後の注意点
消耗品については、商品購入後、その商品を海外へ持ち出すまで使用不可となっています。
購入時に一定の方法で梱包されるので、開封しないように気を付けましょう。
また、一般物品については商品購入後すぐに使用可能ですが、一般物品と消耗品の購入金額を合算して免税を受ける場合には、一般物品についても消耗品と同様、開封および使用不可となります。
日本出国時の流れ
2021年10月1日以降、免税販売手続きが電子化したことに伴い従来の紙による免税販売はできなくなっているため、以下のパスポートに貼り付けられているレシートを回収してもらうという作業は不要となっています。
出国の際は、保安検査をとおったあと、税関で係の人にパスポートを提示し、貼り付けられているレシートをすべて回収してもらったら終了です。
と思ってしまうほど一瞬でした!
まとめ:一時帰国の際は免税でお得に買い物しよう
これまで免税で購入する場合の条件や手順を説明してきました。
条件で少し分かりにくい部分があったかもしれませんが、自分が「非居住者」に該当するかどうかさえ気を付けていれば、違法に免税で購入してしまう!ということにはならないのでご安心ください。
その他の条件については、レジで「免税で購入できますか?」と聞けば、免税対応店であれば全部指示してもらえます。
一時帰国中は何かとお金がかかってきますので、ぜひ免税制度を上手く活用してお得に買い物するようにしましょう。
その他、一時帰国する前の事前準備としては、日本滞在中のインターネット環境をどうするか考えるのも重要です。
まずはWi-Fiルーター・SIMカード・格安simなど、どんなインターネット利用環境があるのか見てみましょう。
>>Wi-Fiレンタル・格安sim・SIMカードでお悩みなら
2023年7月更新とのことですが、2023年4月に導入された内容が加味されていませんでした。
2023年4月からは簡単に言うと下記を満たす必要があります
1. 滞在予定に関係なく、2年以上の滞在を買い物時点で過ぎている
2. 戸籍の附票を取得して会計時に見せる
駐在3年程度だと免税の買い物は出来て一回、ということです。
また、某中〇の人が制度を悪用しているので更に厳しくなっていくような雰囲気があります。
多分日本出国前にスーツケース開けて見せないと駄目になるとかそういうのです。
情報が最新のものになっておらず申し訳ありません。ご指摘いただきありがとうございます。
現在では2年以上の滞在を過ぎた時点で免税での買い物ができるようになっているんですね。
ご指摘いただいた点含めて最新の情報を確認し、記事内容もアップデートさせていただきます。