初掲載日:2018年11月27日
今回はドイツに来てびっくりすることの多かった「ドイツ人の誕生日事情」についてです。
地域にもよると思いますが、ドイツ人の誕生日事情はやっぱり日本とは違います。
私の住んでいるデュッセルドルフでは、クリスマス同様、ドイツ人の誕生日への意気込みが半端ありません。
ドイツの会社内での面白エピソードや誕生日をお祝いするときの注意点など、日本の常識とはかけ離れた常識がドイツには存在しています。
そんなドイツ特有の誕生日文化について詳しく紹介していきます!
もくじ
ドイツの誕生日の特徴
ドイツ人にとっての誕生日は、
”ここまで育ててくれてありがとう。いつも見守ってくれて、仲良くしてくれてありがとう”
という感謝の気持ちを伝える日といわれています。
そのため、日本とドイツでは、誕生日のお祝いの仕方が大きく異なります。
誕生日パーティーは主役(誕生日の本人)が開催する
先にもお伝えしましたが、日本とドイツで大きく違うのは誕生日のお祝いの仕方です。
ご存知の方も多いと思いますが、ドイツでは自分の誕生日パーティーは自分で開催します。
自分でパーティーを計画して、料理や飲み物やケーキを手配(又は作って)して、周りの人を招待します。
なので、自分で催さなければ誕生日パーティーはありません。
そして、誕生日パーティーを自宅で開催する場合もあればレストランで開催する場合もありますが、どちらにしてもかかった費用は全て誕生日の人本人が負担します。
その代わり、ゲストはそれぞれちょっとした贈り物を持ち寄ります。
定番なのは、お花やお酒、食べ物です。
ドイツではどんなに親しい間柄であっても高価なものを贈るということはほとんどありません。
逆にそこまで親しくない間柄でいきなり高価な物を贈ってしまうと、喜ばれるどころか相手を困らせたり不信感を抱かれる場合もあるので注意が必要です。
また、ドイツ人は合理性を求めるため「欲しくないものはもらわない、あげない」という考え方をする人も多くいます。
人によっては、「私は〇〇が欲しいから、〇〇を持ってきてね」と招待される段階で贈るものを指定される場合もあります。
日本人からすると、図々しい!夢の欠片もない!と感じることもありますが、ドイツでは普通のことなので「これが欲しいのね、了解!」と言われたものを贈ってあげましょう。
きっとそんなに高価なものは指定されないはずです。
Runder Geburtstag(ルンダーゲブルツターク)
ドイツ人が特に気合をいれるのが、30歳、40歳、50歳、60歳などの10年ごとに訪れる誕生日です。
日本でいう、還暦・長寿のお祝いのようなものですね!
Runder Geburtstagは、日本語では「丸い誕生日」となります。
だから30、40、50などの端数がない誕生日を指すんですね。
Runder Geburtstagのときは、普段自分の誕生日を開催しない人もこの時ばかりは!と開催することもあります。
開催場所も自宅や近所のレストランではなく、高級レストランやホテルを貸し切ってビュッフェやシャンパンを用意するなどちょっとした著名人のパーティーのような雰囲気です。
Runder Geburtstagのパーティーに招待された時は、いつもの贈り物に何か一つプラスしてプレゼントすると喜ばれるかもしれません。
いつもお酒を贈ってる場合はお花をプラス、又はちょっといいお酒を選ぶとかですね。
ドイツの誕生日に関する面白エピソード
それでは、夫に聞いたドイツの会社での面白エピソードを少し紹介します。(※夫は日本人です)
社内カレンダーに社員全員の誕生日が!?
夫の誕生日当日、仕事から帰ってきた夫が一言。
「今日、会う人会う人に誕生日おめでとうっていわれたわ~」
「え。そんなに会う人会う人に今日俺誕生日って言いまわったの?」
「いや、会社のカレンダーに社員全員の誕生日が登録されてんねん。」
なにやら、夫の会社の社内カレンダーには、社員全員の誕生日が登録されているらしいです。。
同僚の誕生日すら、
あれ、いつだっけ?明日?え!昨日??なんかごめん、おめでとう!
みたいな日本人とは違いますね。
そして、普段そんなプライベートの話をしてこない人にまで
今日の夕食はどうするの?外食?奥さんが頑張って作るの?
と散々聞かれたみたいです。
面白いのが、誕生日の翌日、
「昨日は楽しかった?奥さんのご馳走どうだった?」
と聞いてきた人はほとんどいないそうで!
”誕生日当日はものすごく大事。でも過ぎたらあんまり興味ない”みたいな感覚なのでしょうか?
誕生日当日を大事にするドイツ人らしいといえばドイツ人らしいですが。。
職場でプチ誕生日パーティー?
社会人になると、自分の誕生日が平日!という人がほとんどだと思います。
そんな時、ドイツでは自分の誕生日に自作のケーキやサンドイッチなどを会社関係者に振る舞うという習慣があります。
夫の会社の上司は自分の誕生日当日、会社にケーキやらご飯(ちょっとしたご馳走)やらを用意して振る舞ったそうです。
その日、夫は
「〇〇(上司)の用意したケーキとかご飯食べてたらお腹いっぱいでお昼ご飯は食べなかった」
と言って帰ってきました。
お昼ご飯の代わりになるほどの量のご飯を社員に振る舞うなんてさすがですね。
明日は妹の誕生日なので会社を休みます!
日本では、自分の誕生日だから、恋人(配偶者)の誕生日だから、と会社を休む人なんてほとんどいませんよね。
実際は上記の理由で休む人もいるかもしれませんが、堂々と口外する人は少ないのではないでしょうか。
でも、ドイツは違います。
「明日、妹の誕生日でパーティーに招待されたから会社休みます」
「素敵だね!楽しんで!」
こんなやりとりが普通にされているんです。
その妹さんとやらの誕生日パーティーに招待された社会人の人は全員会社を休んだのでしょうか?気になります。。
誕生日をお祝いするときの注意点
ここまでで、ドイツ人にとっていかに誕生日が重要かがなんとなく伝わったのではないかと思います。
それだけ重要な「誕生日」のお祝い方法には、ちょっと変わったルールがあります。
お祝いしたのに嫌な顔をされた!なんてことにならないように次の点には注意してください。
前祝いは絶対NG!
ドイツ人の誕生日を祝うときに重要なのは、お祝いを言うタイミングです。
基本的には、誕生日当日に必ずお祝いを言います。
これは日本と同じですね。
日本と異なるのが、「誕生日が土日祝日などの休みで当日に会わない場合」です。
日本では誕生日前に、ちょっと早いけどおめでとう!なんて当たり前ですが、ドイツでは誕生日当日より前にお祝いを言うのはタブーです。
ドイツには、先取りをすると運が悪くなるという言い伝えがあるためです。
折角お祝いしたのに、運が悪くなった!!と恨まれたらたまりません。
土日祝日などで会えない日に誕生日だった場合は、週明けの月曜日にお祝いの言葉をかけてあげましょう。
これも、火曜日・水曜日などではなく、月曜日に伝えるのがベターとされているので注意が必要です。
そして、誕生日を知ってるのにお祝いの言葉もなにももらえないと、ドイツ人の人は「自分は嫌われてるのかも?」と不安になってしまう場合があるので、誕生日を知っているなら、大の大人が!と恥ずかしがらずにお祝いの言葉をかけてあげてください。
きっと想像以上に喜んでもらえると思います。
(社内カレンダーに全社員のが登録されてたら、知らなかったなんて言えなそうですが。。)
ちなみに、夫は誕生日当日有給を使ったことがあるのですが、当日職場の人数人からお祝いのメールが届いたそうです。
しかも全員男性。。
男性が同じ職場の男性の誕生日当日、お祝いメールを個別に送るのは、、日本ではなかなか考えられない習慣ですね!
誕生日パーティーの招待はなるべく断らない
最後に、こちらは個人の事情もあるのでなんとも言えないですが、誕生日パーティーに招待されたらなるべく参加してあげるようにしましょう。
「明日は妹の誕生日なので会社を休みます!」でもお伝えしたとおり、ドイツの会社では誰かの誕生日パーティーへの参加を理由に有給をとることはそこまでハードルが高くありません。(会社にもよると思いますが)
ドイツ人は、体調が悪かったら会社は休むけど誕生日パーティーは死んでも行く!とも言われているほど誕生日を大事にしています。
もちろん自分の体調が1番大事なので無理をしてまで行け!とは言いませんが、体調が悪いときでも、「最初の10分だけ」「参加はできないけど、直接お祝いの言葉と贈り物を渡してすぐ帰る」「参加するけどお酒は飲まない」など少しでもお祝いする気持ちをみせると、とても喜んでくれると思います。
ドイツ人の誕生日まとめ
ここまで書いていて、誕生日一つお祝いするのも結構大変だなと感じました。。
日本では、身内の誕生日のたびにパーティーを計画したりプレゼントを考えたりする必要があります。でも、ドイツでは1年に1回、自分の誕生日だけパーティやプレゼントの準備をします。
たしかに1回で済むのでドイツ式の方が楽なところはありますが、日本人的習慣に慣れてしまっている私としては、やっぱり誕生日当日は周りに頑張ってもらいたいですね!
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ベルギーも誕生日の人がケーキを配ってました。不思議な感じですよね。うちの夫は日本人だから…を通したのか、1度も何もしませんでしたけど(^_^;)
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>ナオさんベルギーもそうなんですね!私の旦那さんも自分では何もしないと決めてるみたいです(^^;)