初掲載日:2019年2月3日
ドイツといえば!クリスマスよりも盛り上がるのが毎年2月~3月頃に行われるカーニバルです。
新年が明けると、デュッセルドルフも街がカーニバル一色になっていきます。
そこで、ドイツ文化「カーニバル」の歴史や2020年のスケジュールについて紹介したいと思います♪
もくじ
ドイツのカーニバルの歴史
カーニバルは、ドイツ語では「Fastnacht(ファスナハト)」や「Fasching(ファシング)」などと呼ばれています。
もともとは春の到来をお祝いするイベントとして古くから伝えられてきました。
しかし、カトリック教会がイースター(復活祭)前の46日間を”断食期間”と定めたことで、キリスト教的には、カーニバルは「イースター前の断食期間の前にたくさん食べる期間」と定義されています。
※本来はイエスが荒れ野で40日間断食したことに由来し、断食期間は40日とされていますが、この「40日」は安息日である日曜日を含めない数え方のため、実際には46日間となります。
つまり、カーニバルはドイツだけでなくヨーロッパ各国で行われているイベントなんです!
ドイツのなかで”カーニバル3大都市”といわれるケルン、デュッセルドルフ、マインツでは、カーニバルは「第五の季節」とされるほど重要なお祭りで、人々のカーニバルにかける情熱は尋常ではありません。
クリスマスの時期は、「1ヶ月前から準備を始めるなんてドイツ人のクリスマスにかける情熱は半端じゃない!」と思っていましたが、そのクリスマス以上の情熱をカーニバルにそそいでいます。
【2020年】カーニバルのスケジュール
それでは、カーニバルのスケジュールについて紹介していきます。
カーニバルのスケジュールの計算方法
カーニバルの日程は、イースターの日程から逆算して決まるため、毎年異なります。
イースターは「春分の日の後の最初の満月の日の後の最初の日曜日」と定められています。
・・・え?(;・∀・)
とりあえず自分で日程を計算することは限りなく不可能に近いことが分かりました。。
上記の方程式?に則って計算すると、2020年のイースターは4月12日(日)になるそうです!
イースターの前の46日間を「四旬節」といいます。
「四旬節」は断食期間のことで、この期間、人々はお肉や乳製品を絶ちます。
そして、その四旬節が始まる日(水曜日)を「灰の水曜日」といい、その前の1週間(2020年2月20日~26日)が「カーニバル」の期間になります。
カーニバルの幕開けは11月11日11時11分
カーニバルの期間は毎年2月~3月頃ですが、聖マルティンの日でもある11月11日をカーニバルの幕開けと定めている地域が多いです。
デュッセルドルフでは、毎年11月11日11時11分に旧市街の市庁舎前で「Hoppeditz(ホッペディッツ)の目覚め」というカーニバルの開始宣言が行われます。
この日、市長の開始宣言とともにカーニバルの精霊「Hoppeditz(ホッペディッツ)」が目を覚まし、カーニバルシーズンが幕開けとなります。
11月12日から1月5日はお祝いの休息期間
11月下旬から12月にかけてのアドベント(待降節)を含む期間は、「祈りと断食の期間」としてカーニバルのお祝いムードはいったん休止します。
5世紀は聖マルティンの日がクリスマス前の断食期間とされていました。
しかし、ローマ教皇であるグレゴリウス1世の時代に、クリスマス前の4週間がアドベント期間と定められたそうです。
カーニバルの本番は「灰の水曜日」前の木曜日から火曜日までの6日間
カーニバルの本番は木曜日から火曜日までの6日間です。
特に盛大に祝われるのが初日の木曜日と月曜日です。
デュッセルドルフでは、木曜日が「女性のカーニバル」、月曜日が「バラの月曜日」と言われていて、特に月曜日は毎年州の公式の祝日になっています。
お祭りのために祝日があるなんてドイツらしいですね(*‘∀‘)
2020年のデュッセルドルフのカーニバルの日程
2020年のデュッセルドルフのカーニバルは2月20日~26日の1週間です。
2月20日 汚れた木曜日「女性のカーニバルの日(Weiberfastnacht)」
この日は、11時11分にAltweiber(Weiberは女性を指す言葉)と呼ばれる黒い衣装を着た女性達が市長から鍵を取り上げ市庁舎を占領します。
また、この日、男性は女性にネクタイをハサミで切られ、その代わりにキスを贈られるという習慣があります(;・∀・)
いつも通りに会社に行ったら社内の女性にお気に入りのネクタイを切られた!!
なんてことにならないように、この日は切られてもいいネクタイをつけていくようにしましょう。
2月21日
金曜日は祈りをささげる日とされており、カーニバルの催しは一般的には催されず、特に呼び名も決まっていません。
2月22日 カーネーションの土曜日「若者のカーニバル(Jugendumzug )」
お祭りの前日ということで特別に大きな催しはありませんが、デュッセルドルフでは若者のカーニバルが開催されます。
子供たちは仮装して街に繰り出し、パレードの人からお菓子を投げてもらいます。
2月23日 カーニバルの日曜日「カーニバル・サンデー(Carnival Sunday)」
デュッセルドルフでは、ケーニヒスアレーで大仮装パーティーが行われます。
大通りには屋台が出てソーセージやビールなども楽しめるようになっているそうです。
また、サンデーカーニバルとは別で、ニーダーカッセル地区でもこの日パレードが開催されます。
ニーダーカッセル地区のパレードには日本人学校の小学校2年生も毎年参加しています。
2月24日 バラの月曜日「ローゼンモンターグ(Rosenmontag)」
デュッセルドルフでは、この日は州の祝日になっていて、会社は休みになります。
語源は”rasender Montag”(気の狂った月曜日)で、この日は普段真面目なドイツ人たちがここぞとばかりに大騒ぎをします。
一週間の中でも特に盛大な仮装パレードが開催され、政治などを風刺した山車からお菓子やバラ、時々ネギなどの野菜もばらまかれます。
2月25日 スミレの火曜日
この日がカーニバルの最終日になります。
地域によってはパレードが開催されるところもありますが、デュッセルドルフでは特にイベントは行われません。
2月26日 灰の水曜日
灰の水曜日に、デュッセルドルフではカーニバルの精霊「Hoppeditz(ホッペディッツ)」が火葬されて灰になり、翌年の11月11日に再び目覚めるまで眠りにつきます。
そしてこの日も人々は仮装して街に繰り出し、カーニバルの最終日を楽しみます。
この日からイースター前日まで46日間の断食期間が始まります。
【もっと詳しい情報はこちら】
デュッセルドルフ観光局(英語)
https://www.duesseldorf-tourismus.de/en/our-top-events/carnival/
デュッセルドルフのカーニバル公式HP(ドイツ語)
https://www.comitee-duesseldorfer-carneval.de/de/
カーニバルで使われる掛け声
カーニバルの掛け声は、地域によって異なります。
デュッセルドルフは「Helau!(ヘラウ)」、ケルンは「Alaaf!(アラーフ)」という掛け声になります。
また、バラの月曜日「ローゼンモンターグ(Rosenmontag)」では、「Kamelle!(カメレ)」と山車に向かって叫ぶことでお菓子をねだるという習慣があります。
このお菓子をねだる「Kamelle!」はデュッセルドルフとケルンで共通です。
デュッセルドルフやケルンのカーニバルに参加する場合は、ぜひ周りの人と一緒に掛け声を叫んで本場の雰囲気を味わってみてください♪
【実際にデュッセルドルフのカーニバルに参加した様子はこちら】
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